2016年6月17日金曜日

第19回 OsiriX-KANAGAWAのインストール

2016/8/9追記:
OsiriX-KANAGAWAは、「GRAPHY」に概念を引き継ぎました。
以後、GRAPHYをご利用いただけますよう、お願い申し上げます。

今回は、これまでにこのブログで頻繁に登場しております、「OsiriX-KANAGAWA」についてご紹介いたします。OsiriX-KANAGAWAのサイトはこちらです。

OsiriX-KANAGAWAの発案と公開までの経緯


日本では多くの素晴らしい医用画像処理ワークステーションが販売されていますがすべて非常に高額(数百万)です。そのため、学生やバイオメディカル分野の科学者は、このようなワークステーションを利用したくても利用できないのが現状です。

このような現状は、個人の環境や活動を制限するため、教育や研究の質の向上を停滞させているかもしれません。

このような課題に対処するために、非常に高機能な医用画像処理ワークステーションであるオープンソースのOsiriXを活用し、OsiriX-KANAGAWAとして国内で普及させることを考えました。

OsiriX-KANAGAWAは、世界中の研究機関のユーザーが進化を促すOsiriXを継承し、学生・科学者個人の役割や肩書き、学術領域、所属組織、研究規模にとらわれない、医用画像を科学するソフトウェア環境の一端をなします。

OsiriX-KANAGAWAのイニシャルなミッションは、「高機能な医用画像処理ソフトウェアの開発とその普及」です。

特徴

  • Free Open Source Software
  • 世界水準
  • 病気や怪我と戦うための武器(画像処理や解析として)
  • 日本発(匠の心、日本にしかない良さ・強さ)
  • クールにMacで動作


OsiriX-KANAGAWAのインストール


OsiriX-KANAGAWAは、今からすぐに使い始めることができます。
さっそく、使ってみましょう。

手元にMacを準備して、以下の手順でインストールします。

1.OsiriXをインストールしたことがない方は、次の手順に進んでください。もしすでにOsiriXをインストール済みの場合は、document(文書)フォルダの既存のOsiriX Dataフォルダをバックアップしてください。(例えば、フォルダ名を「OsiriX Data_」などに変えます。)
2.OsiriX-KANAGAWA-binary.zipをダウンロードして、解凍してください。(https://github.com/tatsunidas/OsiriX-KANAGAWA-binary/archive/master.zip)
3.解凍後、フォルダ内にある「OsiriX-KANAGWA.app」を、アプリケーションフォルダに移動してください。
4.OsiriX-KANAGAWAをアイコンをクリックして起動してください。
起動できましたか?
※OsiriX-KANAGAWAは、2016/6時点で32-bitバージョンとなっています。
5.新しくdocument(文書)フォルダに「OsiriX Data」フォルダができます。必要に応じて、こちらのフォルダにバックアップした「OsiriX Data_」内の画像データを移行してください。

トレーニングデータのダウンロード


はじめて起動した場合は、データベースは空なので、表示するデータがありません。
OsiriXは、教育や研究目的で利用できるDICOMデータが用意されています。
必要に応じて、データをダウンロードして使ってください。

(すべてダウンロードすると、結構重いです。)

(http://www.osirix-viewer.com/datasets/)

データをダウンロードしたら、zipのまま(あるいは解凍して)、データをインポートします。

さらなる操作については、このブログの別の回を見てください。

最後に


以上、今回はOsiriX-KANAGAWAについてご紹介をさせていただきました。

高度な医用画像処理アプリケーションのオープンソース化は、これまで高価だった医用画像処理ワークステーションを安価に構築することを可能にし、これまで費用面で普及しずらかったワークステーションを爆発的に世界に普及させる第一歩となりました。

今や、OsiriXは世界中の研究機関や大学・専門学校などの教育・研究の場において、広く利用されています。

OsiriX-KANAGAWAはこのような活動の1つに過ぎませんが、日本で使いやすいツールとして広まって欲しいと思っています。

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